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「《身近なホールのクラシック》室内楽12345!」 演奏会に向けて、石上真由子さんに選曲のポイントなどを伺いました。

2024 8/27

 《身近なホールのクラシック》水曜午後のコンサートが近づいてきました。石上真由子さんには、ヴァイオリニストとしてのご出演はもちろん、プロデューサーとして、この演奏会のキャスティングとプログラミングをお願いいたしました。
 石上さんと言えば、2024年6月に開催した「ブラームス交響曲全曲演奏会 Vol.4ファイナル」でのドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲の鮮やかな演奏が記憶に新しく、持ち味である力強さとキレに加え、柔らかさがプラスされて、ヴァイオリニストとしての新境地を私たちに見せてくださいました。終演後には「ずっと挑戦したいと思いながらなかなか実現できていなかったドヴォルザークを演奏する機会が嬉しく、成長の機会に感謝しています」と話していらっしゃいました。
「ブラームス交響曲全曲演奏会」のような継続企画を通して、アーティストの成長を見守り、応援することができるプロジェクトを、これからも大切にしていきたいと思っています。
 

●「室内楽12345!」のキャスティングについて
-メンバーの紹介
 水谷晃さんは、包容力とブレない音楽的な軸、音楽の点と面を掴む優れた構築力をお持ちのヴァイオリニストです。ヴィオラの大山平一郎さんは、仲間であり、先生であり、室内楽のイロハを教えてくれた恩人です。同じくヴィオラの村上淳一郎さんは、オーケストラ(NHK交響楽団)の中でも自由で、その音楽に取り組む姿勢に共感する音楽家です。そして、チェロの金子鈴太郎さんは、自然体かつ能動的なアクションで、いつも私たちのまとめ役を引き受けてくださる存在です。
-5人のアンサンブル
 基本姿勢として、フラットなコミュニケーションを心がけています。意見を言い合うバランスが理想に近い5人だと思います。私たちは、理解し合える関係が構築されているので、流れの中で大事な人を押し出していくといった音楽的コミュニケーションが成立します。リハーサルもさることながら、演奏会本番のスイッチが入るとスゴイです(笑)。一方、男性4人のしっかりとした音色とパワーに渡り合っていくためには、私も相当なパワーが必要だと感じています。
 
●「室内楽12345!」のプログラミングについて
-選曲のポイント
 編成の大きなものから順に、モーツァルト(五重奏)から決めました。6曲あるモーツァルトの弦楽五重奏曲の中で、意外とやらない2番を選びました。
 四重奏では、様々な時代の曲をプログラミングしたいとの思いから、20世紀のイギリスの作曲家フランク・ブリッジを演奏します。この曲では、皆さんが知っているメロディが出てきます。
 三重奏はベートーヴェンを取り上げます。「均整と協調」の四重奏と比して、渾然一体に響く三重奏は、暴れながら弾くことができる(笑)ので楽しみです。
 二重奏は、一緒にやる楽器によって印象が変わる編成です。ヴァイオリンとヴィオラの二重奏はバロックから古典派の作品、チェロとは近代の作品を演奏します。ラヴェルの「ヴァイオリンとチェロのためのソナタ」は、精緻なアンサンブルが特徴ですが、以前、この曲を初めて弾いた時から金子さんとの息がぴったりなので、皆さんもぜひ楽しみにしていてください。
 そして、演奏会の幕開けを飾る無伴奏については、やはりバッハにしようか…とも考えたのですが、奇抜な感じ(笑)のプロコフィエフで、ご来場の皆様へのご挨拶代わりといたします。
 
 
 こだわりのキャスティングとプログラミングでお贈りする本企画は、日本を代表する弦楽器奏者が入れ替わり立ち代わり(!)登場する、楽しい室内楽演奏会です。クラシック音楽の魅力、室内楽の魅力にも気づいてくださるような機会となれば幸甚です。
 
芸術創造セクションマネージャー 和田大資
 
 
※公演詳細はコチラをご覧ください→「《身近なホールのクラシック》室内楽12345!-ソロからクインテットまで-」公演情報

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