劇団四季が今年も箕面にやってきます!気になる演目は、劇団四季ミュージカル『赤毛のアン』です。
『赤毛のアン』は2024年に生誕150周年を迎えたカナダの作家ルーシー・M・モンゴメリーの代表作で、出版から115年たった今でも世界中の人々に愛される不朽の名作を題材として、劇団四季では1980年の初演から繰り返し上演されています。
2024年12月3日(火)から東京公演が行われ、3月29日(土)からは全国を巡演し、箕面公演は5月9日(金)となります。
東京公演の開幕に先駆けて、2024年12月2日(月)に東京浜松町の自由劇場で行われた、最終通し舞台稽古の模様をレポートします!
【最終通し稽古の様子】
たくさんの関係者と報道陣が期待に満ちた空気で待ち受ける中、最終通し稽古の幕が上がりました。軽快な音楽と素晴らしい歌声から舞台は始まり、続く婦人ボランティアたちのうわさ話を楽しむコミカルなシーンで一気にカナダのプリンス・エドワード島の世界に引き込まれます。
第1幕のアン・シャーリーとマシュー・カスバートの出会いのシーンは必見です。孤児院から男の子を引き取る予定が、女の子であるアンが来てしまうという事態に戸惑いを隠せないマシューですが、寡黙な自分とは正反対の、想像力に溢れる、お喋りが大好きな、目の前の女の子を好ましく思う様子が伝わってきます。
駅から家に馬車で向かう場面も、馬車が本当によく作りこまれていているのでぜひ注目してみてください。同場面のアンの歌“私は私でよかった”も素晴らしいナンバーで、歌詞が心に染み入ります。
男の子が女の子だった手違いを言い出せない心優しいマシューと、口では厳しいことを言いながらも、温かくアンを見守るマシューの妹マリラ、2人の温かい愛に触れ、アンは成長していきます。
第1幕の終わりから第2幕にかけては、親友よりもさらに深い「腹心の友」であるダイアナや、アンと仲良くしたいのに意地悪してしまうギルバート、信頼できるステイシー先生たちとの楽しい学校生活が、劇団四季の素晴らしい歌声と迫力あるダンスをもって、色鮮やかに表現されます。
第2幕後半の大好きなマシューとの別れのシーンでは、『赤毛のアン』が長年愛される所以たる「人間の深み」「人と人との繋がり」が見事に演じられます。アン・シャーリー役の林香純さんも涙をこらえて演じているとインタビューで話されていました。ただ明るく楽しいだけの作品ではないことを示す、心打たれる名シーンの1つです。
カーテンコールでアン・マシュー・マリラの3人が並ぶ姿は家族そのものであり、圧巻の演技力、舞台構成によって『赤毛のアン』の世界に酔いしれた観客から惜しみない拍手が送られました。
最終通し稽古の後、主人公のアン・シャーリー役の林香純さんと、アンを引き取るマシュー・カスバート役の菊池正さんへの合同取材会が催されました。作品の見どころなどたくさんお話しいただきましたので、ぜひそちらのレポートもご覧ください。
チーフコーディネーター 下元温美